愛する者は年齢についてのみ考えればわたしよりも先に旅立ってしまう。一人になった暁にはどうなるのだろう。母のことは未だに実感がなくて、だけどそれは確かに現実だから考える。亡くなった人は見守ってくれているという。それが本当かどうかなんて誰にも、生きている人間には分からないことで、事実わたしもぼんやりと思うだけなのだけど、わたしは見守ってくれているそんな気がする。ぼんやりとでもそう思う。

亡くなった人の一生は亡くなってから分かる、とお寺の方が言った。片づけ作業をしていたら知らなかったことが今になって分かって、確かにそうなのだと感じている。